ずみの微妙な難病

(精神的に)具合がよろしくない時によく書く。

リツキサン。

奇跡の薬の効果は凄まじかった。

まず、血が止まった。これは体内で血小板に無差別テロを起こしている免疫機能をぶち殺しまくるというステロイドの働きによるものだった。すると、ほぼ一ヶ月、口から食べ物を補給できなかったのがジュースが飲めるようになった。100%のグレープフルーツが砂糖ばりに甘く感じたのにはびびった。

次は、普通に座れるようになった。もう気を失う事もない。きっと、自分の子供が初めて立ち上がったらこんな気持ちになるんかな、と思うくらい感動した。自分の身体に。

徐々に歩いたり、固形物も食べられるようにはなったが、いかんせん、血小板の値は絶望要塞状態が続いていた。酒飲み先生は次に、ステロイドパルスという奇跡の薬をムッチャ濃くしたやつを投入してきたが、やはり、効果はない。それどころか、この薬の副作用でムッチャ腹は減るわ、血糖値が上がりまくるわ、おまけに、将来的に大腿骨が壊死する可能性もあるわで負の結果しか残らなかった。

どうやら、その道のプロの酒飲み先生から見ても俺の身体は重症のようだった。そして、ある日の夕方、酒飲み先生から新たな提案があった。リツキサン。抗がん剤を使いましょうと。

続く。