ずみの微妙な難病

(精神的に)具合がよろしくない時によく書く。

死とおばあちゃん。

へへ、イタチの最後っ屁ってやつだ。これでおらはもう鼻くそほじる力も残ってねえってことだ。(孫悟空)をリアルに体験するとは思わなかった。

身動き一つとれず、ひたすら点滴、点滴、点滴。吐血、吐血、吐血。の日々。酒飲み先生の肝いりの薬。ガンマグロブリンも効果なし。再検査と称して再び、恐怖の骨髄採血をするも、今度は何も出てこないとの事。くそ、トドメでも刺すつもりか、、、。

血小板の値が上がらない。つまり、血が止まらないという事。人生で初めてリアルに死を間近に感じた。でも、不思議と恐怖は感じなかった。正直、何一つとしてうまくいかない人生だったが、常に全力だった。それは間違いなかったからだ。入院初日に遺書めいたものもLINEで家族には送っていたし。

ガンマグロブリンの副作用の高熱で40度近い熱が出て朦朧としていた時、ふと潮の香りがしてきた。ありえない。ここは病院。アルコール臭と1ヶ月近く入浴してない俺の体臭しかしないはずだ。でも、潮の香りがした。

それは、大好きだったおばあちゃんの香りだった。水産加工場で働いていた今はもう亡くなったおばあちゃんの香りであった。目は開かない。けど、すぐそこにいるんだなぁなんて思っていた。

目が開いた。そこは変わらぬ病院。と無機質な天井。どうやら少し熱は下がったようだ。

スピリチュアル全否定派だけど、この時は少し信じた。ああ、まだこっち来んなという事かな。

その翌日、酒飲み先生があんまり処方はしたくないけど、、、のテンションで薬を持ってきた。ステロイド。奇跡の薬だった。

続く。